クレーンのアームが電線に接触し相次いで感電か 建築現場で作業員2人が死亡
事故災害概要
2026年8月4日午後0時頃、兵庫県姫路市の新築一戸建て住宅建築現場において、男性作業員2名が感電し死亡する災害が発生した。
作業員から「作業中の男性2人に意識・呼吸がない。感電したようだ」と119番通報があり、消防および警察が現場に駆けつけた。現場では50代とみられる男性作業員2名が心肺停止の状態で発見され、その後、搬送先の病院で死亡が確認された。現場はJR英賀保駅東側約500メートルの住宅街である。
警察によると、最初に1名の作業員がクレーン車付近の金属製足場にもたれかかるように倒れているのを別の作業員が発見した。その後、倒れている作業員を介抱しようと接触したところ、救助にあたった作業員も意識を失い倒れた。
当時、現場で使用されていたクレーン車のブームが架空電線に接触していた可能性があり、最初の作業員がクレーンを介して感電し、その後、救助のため接触した作業員も感電したものとみられている。警察は業務上過失致死の疑いも含め、事故原因について調査を進めている。
類似災害と再発防止対策
移動式クレーンのブームや吊荷、バックホウのアーム、長尺資材などが架空電線に接触して、感電災害が発生する事例が繰り返し報告されている。特に住宅街や市街地では、敷地や道路幅が限られていることから、クレーンの設置位置やブームの作業範囲に制約を受けやすく、架空電線との離隔距離を十分に確保できなかったということが多い。
類似災害を防止するためには、作業開始前に架空電線の位置や電圧区分を確認し、作業範囲との離隔距離を把握する必要がある。また、電力会社と協議のうえ、防護管の設置や停電措置などの対策を講じることも有効。
クレーン作業時には、ブームや吊荷が電線へ接近しない作業計画を策定するとともに、監視員を配置し、オペレーター・合図者・玉掛け作業者が危険情報を共有できる体制を整えることが重要、「吊荷」より「電線」を優先して監視することだ。
感電事故が発生した場合には、被災者へ直ちに接触することは避け、電源遮断や電力会社への連絡を優先しなければならない。安全が確認される前に救助を行うと、救助者自身が被災する二次災害のおそれがあるためだ。
本事例は、架空電線近接作業における接触防止対策の重要性と、感電災害発生時における二次被災防止の必要性を示した事例である。
(関係法令・規則)
・労働安全衛生規則 第349条(工作物の建設等の作業を行う場合の感電の防止)
・労働安全衛生規則 第350条(電気工事の作業を行う場合の作業指揮等)
・クレーン等安全規則 第66条の2(電路付近でのクレーン作業)
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