資材置き場でのクレーン移動中重機の部品が落下 解体業の24歳男性死亡

事故災害概要

2025年3月14日午後5時半ごろ、長野県長野市真島町の解体会社の資材置き場で、重機の部品が作業中に落下し、作業員の男性が下敷きになる事故が発生。事故直後に「作業員が被災した」と消防へ通報があったとのこと。男性は意識不明の状態で市内の病院に運ばれましたが、およそ1時間半後に死亡が確認されたとのことです。当時、作業員らは資材置き場でトラックの荷台に積まれていた油圧鉄骨カッターをクレーンで別の車両に移し替える作業を行っていたとされています(警察は事故の詳しい原因を調べている)。

報道されている現場の状況によると、複数人の作業員が荷下ろし作業に従事していたとのこと。作業中にクレーン車がバランスを崩して倒れ、つり下げていた鉄骨カッターが落下したようです。落下したのは重量鉄骨を切断するための「油圧鉄骨カッター」とみられ、解体重機の先端に取り付けて使うものですが、重量は100キロ以上あったとみられています。事故の詳しい原因については調査が進められているということです。

類似災害と再発防止対策

解体工事での労働災害が多発しています。ビルが密集している東京では解体工事は新しいビルを建設するにはなくてはならない工程であり、安全対策推進上きわめて重要な課題となっています。解体工事における労働災害を調査すると、安全対策の基本的事項が守られていないことが原因の場合が多く、その要因としては解体工法が適正に選択されていないこと、危険に対する認識が低いこと、適正な指揮管理が行われていないことがあげられます。また建設会社が解体工事管理・安全江宇正管理を現場任せにしていること、作業者に対する安全衛生教育を十分に行っていないことが原因となる。

<主たる災害発生の原因と背景>抜粋

・引き倒す壁と隣の壁の縁切りが十分でない
・引き倒し時に作業員が足場上にいる
・H鋼のガス切断が深すぎて自重を支えられない
・鉄骨切断後すぐに壁を倒さないで放置
・老朽化している構造物をいっぺんに解体
・塔屋の壁裏の鉄筋が無く崩壊