広島県中国自動車道の橋棚補修工事中に作業員5人の転落死傷事故発生 業務上過失致死傷の疑い
事故災害概要
2025年1月27日午後、広島県廿日市市吉和の工事現場で発生した足場の倒壊及び転落事故。警察と消防によると、1月27日午後3時半ごろ、工事現場関係者から「足場が崩れ作業員数名が転落した」と通報があった。転落した作業員のうち、1名はその場で死亡が確認され、別の作業員は心配停止状態で病院に搬送されたが、午後6時半ごろに搬送先の病院で死亡が確認されたとのこと。他にもけがをして病院に搬送され治療を行っているとのこと。(警察などは実況見分を開始し、業務上過失致死の疑いも視野に、詳しい事故原因を調べている)
現場は、高速道路のリニューアル工事の一環で橋脚の床版を取り換えるための、吊り足場の架設作業中だった様子。工事現場では9名程度が作業をしており、何らかの原因で吊り足場が崩れて、高さ約20mのところから転落したのこと。報道されている現場の状況によると、作業員たちは高所作業の為に墜落制止用器具を装着していたようだが、どこに、どのように取り付けていたかなどは確認中で、詳しい状況は調査中だが、足場の固定不良や耐荷重不足などによる足場の崩壊等が原因ではないかと推測される。
類似災害と再発防止対策
吊り足場の連結金物として使用される「鉄骨用クランプ」を正しく使用していなかった事が原因で抜け落ち、崩壊した災害事例もある。キャッチクランプ、いわゆるコの字クランプを用いてH型鋼への手すり柱単管の固定、吊り足場本体の親パイプ等との固定時に「H型鋼から滑る、または脱落する」方向へ取り付けたことにより滑り、吊り足場ごと墜落して崩壊した事例だ。キャッチクランプのメーカーは「原則2個を1セット」として使用し、取付部が使用中に滑り落ちるような使用を原則禁止としている。
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