「新潟県 弥彦村の施設で配管工事中の爆発事故 作業員が死傷」
事故災害概要
新潟県の文化施設改修工事中に発生した爆発事故。空調設備やトイレなど衛生設備の改修工事が行われていた建物の地下で爆発が起きたとみられており、男性作業員1人が全身を強く打ち死亡したほか、1人が重傷、2人が軽傷を負った。施設は改修工事のため休館しており、一般の利用客などは施設内にいなかったため被害はなかったとのこと。
報道されている現場の状況によると、事故当時6名の作業員が2人ずつのペアを組み、1階のトイレや屋上などで作業していたという。爆発は、1階トイレの床下にある、ガス管などの配管が多く集まるピットスペース付近で発生。死亡した男性と重傷を負った作業員はこの場所で配管の撤去作業に当たっていたという。爆発の原因など詳しい状況は警察と消防が調査中とのことだが、何らかの原因でピット内にガスが充満しており、金属配管の切断時などの火花がガスに引火して爆発したのではないかとみられる。ピット内は空気の流れが悪いため、適切に喚起を行ってガス濃度の計測が重要な場所だが、今回はそれらの対策を講じていなかったのではないかと推測される。
類似災害と再発防止対策
ガス管等が埋設されている道路などの土木工事に限らず、このように建築工事においても設備配管とガス管を見誤り切断するなどしてガスを漏出させ爆発に至った事例は過去にもある。
テナントビル改修工事の現場でスプリンクラーヘッド増設工事中に、同じ材質の保温材で巻かれたスプリンクラー管とガス管を見誤ってガス管側に穴を開けてしまうもそのまま放置「ガス臭がするのでは?」とあちこちで意見が上がったが、退避指示やガス会社に対する連絡などの対応を誰も行わないまま工事を続け、電気のこぎりでの切断作業の火花などで引火して爆発が発生した事例。
ガス管の存在を事前に調査することを義務付けるような法令は存在しないが、改修工事の中でも既存設備配管・配線への接続作業の場合には、竣工後の変更等により図面と実態が異なっていることがあるために災害の発生につながる可能性がある。
ガス、電気等の設備が存在する場合には、事前調査と具体的で適切な作業指示書の作成などが重要である。 竣工図を基にして現地の確認、現状の即した施工図を作成して現地の配管・配線類に表示板などを取り付けて、工事前には当該系統が停止していることを確認し、万一のガス等が漏れた場合の連絡網体制も明確にしておく必要がある。
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