大阪都島区の工事現場で重機転倒 通行人男性が怪我、近隣施設の破損も
事故災害概要
2024年11月5日午前9時30分頃、大阪府大阪市都島区の工事現場で発生したSMW杭打ち機の転倒事故。倒れたくい打ち機のはずみで近くを通行中の原付バイクに乗っていた50代の男性が転倒して軽いけがをしたとのこと。通行人から「重機が倒れている」と警察に通報があり発覚。「クレーンが転倒し燃料漏れがある」という通報もあり、詳しい事故原因や倒れた時の状況について警察が調査中。
現場は、2021年に営業を終了した宴会・結婚式場「太閤園」の跡地で、宗教施設の建設予定地。くい打ち機は電柱を巻き込み、幅5mほどの道路を完全にふさいでいる状況となっていた。また、向かいの美術館の屋根の一部にも被害が出ているほか、周辺の約20軒が停電をしたが、約3時間後に復旧したと報道されている。また、怪我をした通行人と直接的な接触はなく、倒れてきた重機を避けようとして転倒した模様。報道されている映像などから、くい打ち機の設置場所および走行場所のみ敷鉄板が敷かれている様子がうかがえる。敷鉄板下の地盤が緩んでいたか、整地が甘かったため地盤の一部が沈下し、転倒につながったのではないかと推測される。
類似災害と再発防止対策
移動式クレーンの災害における2割が「転倒事故」という統計があり、過荷重によるもの、地盤の支持力の不足によってアウトリガーやクローラが地盤にめり込み転倒するもの、が代表事例となる。この事例が「不整地」「軟弱地盤」上でのクレーン作業で、接地圧の検討や、地盤改良(補強)対策が十分に計画・実施されていなかった事が原因だとすると、クレーンの安定性を確保するために、地盤の弱い部分では地盤改良等の措置を施し、敷き鉄板上における施工機械設置位置の安全管理を徹底する必要があったと考えられる。