千葉市中央 ビル解体中の現場で足場倒壊
事故災害概要
2024年9月20日午後7時15分ごろ、千葉県千葉市中央区中央1丁目の解体工事現場で発生した足場及び解体中建物の倒壊事故。3階建てのビルで、一部はすでに解体された状態だったとのこと。通行人から「足場が倒れて歩道に散乱している」との通報があり事故が発覚。現場に駆けつけた消防によると、報道の時点でけが人の情報は入っていないとのこと。(詳しい事故原因については、確認を進めている)
現場は、JR千葉駅から南東に1キロメートルほど離れた商店などが立ち並ぶ地域。人形店などが入ったビルの解体工事が行われており、鉄パイプなどを組み合わせて作られた足場と建物の一部がメリメリと音を立てて崩れ、歩道をふさいでいる状態になっていたとのこと。詳しい事故原因については調査中とのことだが、報道されている映像などから、何らかの原因で先に躯体が倒壊したことにより、外壁に固定された足場や防音パネルが共に崩れたのではないかと考えられる。解体工事では、解体する建物の構造を事前に把握し危険を極力避ける手順により解体作業を行うとともに、躯体のクラックを隠すような建築材や落下するおそれがある建築材は先行して取り除いておく必要がある解体の手順を誤ると躯体の構造バランスが崩れて崩壊してしまうことがあるので、十分な注意が必要だ。原因になったのではないかと推測される。
類似災害と再発防止対策
解体工事における崩壊・倒壊災害おいて、外壁の倒壊に起因する災害が多く見受けられる。外壁の解体を行う場合「転倒工法」と呼ばれる手法が一般的で、壁や柱の下部の一部を切削して縁を切り、外壁を倒しやすくしてからワイヤーロープ等で引き倒す(又は吊り上げる)工法だが、安全に作業を行うための縁切り量に具体的な基準がなく、どのくらい縁切りをして良いのかが明確になっていない。このため縁切り作業中に削りすぎて不安定になった躯体が倒壊したり、作業者を下敷きにしてしまう事故・災害が発生している。 崩壊・倒壊災害を減らすためには、転倒工法において縁切り量と外壁の安定性の関係を力学的に評価す必要があるが、安全意識の高い企業の中には、壁躯体切断後の撤去までに時間がある場合の切り置き躯体の高さを「底面最小寸法の1.5 倍までに留めておく」などと、厳しく安全方向にルールを定めている場合もある。