大分県の解体工事現場で強風による足場の倒壊
事故災害概要
2023年12月7日朝、大分県大分市中島のビル解体工事現場にて発生した外部養生足場の倒壊。高さ約3メートルの足場が、幅20メートルにわたり歩道側に倒れたとのこと。7日午前5時20分ごろ通行人からの通報で発覚し、約1時間後には足場が撤去された。なお、けが人は出ていないとのこと。
報道されている状況と、現場関係者の話よると事故の原因は強風の影響によるものではないかとされる。気象庁の発表によると、事故当時は強風注意報が発令中で、最大瞬間風速17.5メートルを観測していた。倒壊した足場の復旧作業をしている映像では防音シートが張られた状態で倒壊していることが確認される。建物の解体工事等においては,がれきの飛散防止や騒音対策のため防音パネル・防音シートを使用することが多い,強風時において防音シートは,メッシュシート同様に容易に取り外したり巻き取ったりすることがでるが、映像からは外された様子が確認できないため、足場倒壊の要因の一つではないかと考えられます。強風や暴風風が強い時の高所作業は危険なため、安全のために作業を中止します。作業中止の目安は、一般的な基準として「10分間の平均風速が毎秒10メートル以上の強風」「瞬間風速が毎秒30メートルを超える暴風」となっており、この状況では歩くことも困難で、外に出るのは非常に危険な状態ですので、現場は早め早めに予測を行い、作業中断の予定を立て、足場等が倒壊しないように十分な安全対策を行う必要がある。
類似災害と再発防止対策
枠組み足場の倒壊事故の類似災害事例として、壁繋ぎや控えを取る躯体などの無い段階で、足場の先行組立作業中に、突然の突風により転倒・倒壊するなど防音パネルなどを貼る前でも風圧による転倒事故がしています。
足場の組立て作業を行う際には、「やらず」を設けるなど転倒防止を考慮した作業手順書を作成し、やらずの取付タイミングや具体的な組み方を図面化して関係者全員で共有すること、組立の作業主任者は有資格者の中から正・副を選任して、組立作業中に作業主任者が不在となる状況が発生しないように余裕を持った人員構成とすることが求めれられます。