名古屋市西区のクレーン転倒事故
事故災害概要
2024年5月、名古屋市の住宅新築現場で発生した「クレーンの転倒」事故。
現場では工場生産された住宅ユニットの設置作業が行われていましたが、クレーンのブームと吊り荷が近隣の施設などに倒れかかり、建物の一部が倒壊したとみられています。
現場の状況の様子から、25t吊りのラフタークレーンは住宅ユニットを吊り上げて間もなく(運搬されてきた住宅ユニットが道路上に落下していることから)アウトリガーを張り出した位置が陥没、クレーン本体ごと転倒をはじめ、吊り荷は路上へ落下、ブームは近隣の施設外壁を直撃したと推察します。
類似災害と再発防止対策
移動式クレーンの転倒事故の発生原因は、アウトリガーの張り出しを怠ったまま旋回を行って転倒する事例や、アウトリガー張り出し位置の地盤の性質(敷地内埋設配管の直上や、砂層による空洞の発生など)をよく理解せずに張り出してしまい、吊り荷の反力で一気に埋没するなど、様々な原因で発生しています。
設置場所の地耐力の確認、空洞発生のリスクの推察、常にクレーンの足元に注意し、アウトリガーは敷き鉄板の中央に設置することが重要です。