超高解像度VR/ARヘッドマウントディスプレイ、VarjoXR-3の実力
フィンランドのVarjo社製VR(仮想現実)/AR(拡張現実)/MR・XR(複合現実)ヘッドマウントディスプレイXR-3の実機体験
日本語読みでは「ヴァルヨ」または「バリヨ」と読む。
VarjoXR-3の特徴は、産業向けヘッドセットとして位置づけられ「人の眼レベルのVR」と称する世界唯一の超解像度ディスプレイや、外部カメラを利用した複合現実機能として、グリーンバックに映し出されたCGの世界に現実のモノを重ねるグリーンバック合成表示機能。
特に今回は、グリーンバック合成機能の特徴を活かしたVRコンテンツ開発に向けて日本国内代理店のエルザジャパンさんを訪問。
早速、VarjoXR-3を被ってみると「水中眼鏡越しの世界?」と変わらないほどのビデオパススルーに驚きます、エルザさんの会議室に自動車のCGモデルを表示すると空間内に本物の自動車が存在するような感覚を得られるので、ヘッドセットをつけている間はヴァーチャルなのか現実なのか区別がつきません。
実在しないことを実感するには、目の前の自動車に手を伸ばしても物体に触れることができない体感で確認するしかないほど、それでも脳はそこに自動車が有ると錯覚をし続ける、部屋の照明がVR上のCGのボディに映り込む演出も、錯覚が消えない理由のひとつだろう。
自身の手足もディスプレイ越しに見ているので、VR空間内での自分自身の立ち位置も常に認識できる、運転席に入りハンドルを掴もうとすると、LiDARセンサーによる深度計測でハンドルの裏に自分の指がまわり込む、親指だけがCGのハンドル手前にあるのはもう驚きだ。
部屋を回遊するときも、壁の位置や机、椅子など周辺環境も違和感のない状態で見ているので、接触による危険を回避しながら、実際に存在するものと融合したヴァーチャル体験を堪能。
クロマキー合成を活かした「危険体感VR教育」「安全体感VR教育」「事故災害体感VR」を導入すれば、今まで以上の危険感受性の向上に役立つVRコンテンツを体験できるはずです、床に敷いたクロマキー用のグリーンバック上にフォトリアルなコンピューターグラフィックの池や水たまりを表示するだけで、もう足がつけない気分になることが想像できる。
ただ、Varjo社もコメントにもあるように「主な利用用途」として学術研究、臨床研究、商業研究や物理趣味レーターの代替えによるコスト削減など、と筐体価格が高額であることによる安全コンテンツへの転用については費用対効果が一番の課題か。