北海道小樽市 新幹線トンネルの工事現場の崩落事故

事故災害概要

2025年1月25日午前、北海道小樽市天神2丁目にある北海道新幹線のトンネルで崩落による事故が発生。午前11時10分頃、トンネル掘削作業中に作業員から「崩落によりけが人が1人発生した」と通報があった。鉄道建設・運輸施設整備支援機構などによると、60代の男性作業員がトンネルの掘削作業中の壁面から約1立方メートルほどの岩塊がはがれ落ち、この岩塊に挟まれてケガをしたとのこと。ケガをした男性作業員は左腕や左足を骨折している疑いがあり、病院に搬送されましたが意識はあり命に別条はないようだ。(鉄道建設・運輸施設整備支援機構などが詳しい事故原因を調べている)

報道されている状況によると、事故が発生した現場は北海道新幹線のトンネル内で、入口から3500Mの坑内切羽付近で、事故当時7人程度が作業をしていたとみられている。詳しい事故原因は鉄道建設・運輸施設整備支援機構などが調査を進めているとのことだが、壁面の安全確認や支保工の強度確認など安全対策が万全でなかったのではないかと考えられている。危険作業を行う際は監視員を配置するなど入念な計画を基に作業を行うが、今回の事故では地山の監視体制が万全でなかったのではないかと推測される。

類似災害と再発防止対策

類似の災害事例は過去にも発生している、切羽に火薬装填作業を行っていたところ、切羽の一部が肌落ちして下部で作業をしていた坑夫を直撃し被災した事例だ、削孔時の振動と削孔水の影響などにより地山が緩んだことが影響して肌落ちが生じたもの。削孔時の振動や削孔水の影響等により地山が緩む場合には、コンクリート吹き付けなどの肌落ち防止対策を行う必要があるが、慣れてくると多少の肌落ちがあっても危険はないと考えてしまう、いわゆる「慣れによるヒューマンエラー」を起こしやすい。 ずい道掘削工事は自然の岩盤・地山が相手であることから、肌落ち等の危険性を正確に予見して回避することは難しい場合があるが、同じ作業の繰り返しが多くなるずい道の掘削工事では地山の状況を繰り返し点検・監視して、その時の地山の状況に応じた対策を講じなければならない。切羽の地質状況等に少しでも不安を感じた場合には必ず作業主任者らに伝え一時的に退避する等の措置を講じるとともに、状況に応じた安全対策を講じてから作業を再開するようにすべきである。

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